【6月30日 AFP】2013ツール・ド・フランス(2013 Tour de France)は29日開幕し、第1ステージ(ポルト・ヴェッキオ からバスティア、213キロメートル)が行われ、アルゴス・シマノ(Argos-Shimano)のマルセル・キッテル(Marcel Kittel、ドイツ)が4時間56分52秒でステージ優勝を飾った。

 ツールでは初のステージ制覇を果たしてイエロージャージ「マイヨ・ジョーヌ」を手に入れたキッテルは、さらにポイント賞(マイヨ・ヴェール)トップの選手に与えられるグリーンジャージ、25歳以下の選手でトップに与えられる新人賞(マイヨ・ブラン)のホワイトジャージも同時に獲得している。

 初めて地中海にあるコルシカ島に上陸することとなった今大会の開幕ステージは、ほぼ平穏に行われるかと思われた。

 しかし、メイン集団が残り20キロメートルにさしかかった辺りからレースは混乱状態に陥る。ゴールラインにバスが停まっていたことから、フィニッシュ地点を先頭に選手の渋滞を引き起こし、狭まったコースでクラッシュが連鎖した。

 原因となったのはオリカ・グリーンエッジ・サイクリングチーム(Orica GreenEDGE Cycling Team)のバス。

 このバスが選手に先立ってゴールゲートを通過しようとしたところ、車高がゲート上部に引っかかり、ゴールライン上に立ち往生してしまった。この時点で運営側はゴール地点を3キロメートル手前に移動することを検討せざるを得なかった。

 その後バスが移動してレースは予定通り終了したものの、その時にはこの混乱のせいで多くの有力選手が事故に遭っていた。

 ヴァカンソレイユDCMのジョニー・フーガーランド(Johnny Hoogerland、オランダ)が広告に当たって倒れたのを筆頭に、有力選手ではチーム・サクソ・ティンコフ(Team Saxo-Tinkoff)のアルベルト・コンタ ドール(Alberto Contador、スペイン)、キャノンデール・プロ(Cannondale Pro)のペーター・サガン(Peter Sagan、スロバキア)らがクラッシュに巻き込まれた。

 コンタドールは左肩を負傷し、チーム・サクソ・ティンコフにとって今後のレースに大きな被害をもたらす可能性が残った。

 順位では、首位のキッテルに続いて、カチューシャ・チーム(Katusha Team)のアレクサンダー・クリストフ(Alexander Kristoff、ノルウェー)が2位、ヴァカンソレイユDCM(Vacansoleil-DCM)のダニー・ファンポッペル(Danny van Poppel、オランダ)が3位でゴールしたが、最終的に出場選手198人全員に同じタイムが付与されるという事態となった。

 このため、チーム・ユーロップカー(Team Europcar)の新城幸也(Yukiya Arashiro)も統一タイムを記録している。(c)AFP/Andy Scott