【1月9日 AFP】ドーピングを行ったとして自転車競技からの永久追放の処分を受けたランス・アームストロング(Lance Armstrong)氏が、17日に放送される米国のトーク番組に出演し、自身の自転車人生を破滅させる要因となったドーピングについて発言することが明らかになった。

 司会を務める有名女性司会者のオプラ・ウィンフリー(Oprah Winfrey)は、アームストロング氏が90分のスペシャル番組に出演し、不正行為を行っていたと長年糾弾されていたことなどについて述懐すると発表した。

 アームストロング氏にとって2012年にツール・ド・フランス(Tour de France)7連覇のタイトルを剥奪されて以来、これが初のインタビューとなる。番組は放送局「オプラ・ウィンフリー・ネットワーク(Oprah Winfrey NetworkOWN)」で17日に放送され、また、ウィンフリーの公式サイトでもライブ配信される予定だという。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は4日、アームストロング氏がマラソンやトライアスロンの競技への復活を試みるため、禁止薬物を使用したことを認めることを検討していると報じていた。

 一方、8日に放送された米CBSテレビの情報番組「60ミニッツ(60 Minutes)」は、アームストロング氏が米国反ドーピング機関(United States Anti-Doping AgencyUSADA)に対し、およそ25万ドル(約2200万円)の寄付を申し出ていたことを、同機関のトラビス・タイガート(Travis Tygart)会長が明らかにしたと報じた。

 タイガート会長の語るところによると、2004年にアームストロング氏の関係者からUSADAへ「不適切な」寄付のオファーがあったという。同番組のインタビューでタイガート会長は「(寄付のオファーを受けて)とても驚いた。USADAにとって明らかに利害が相反する寄付金だった。迷う余地なく拒否した」とコメントし、アームストロング氏による強引な戦略が「マフィア」のようだと例えた。また、アームストロング氏から10万ドル(約870万円)の寄付金を受理した国際自転車競技連合(International Cycling UnionUCI)に非難の意を示した。

 アームストロング氏の弁護士は8日の米紙USAトゥデイ(USA Today)の記事で、同氏からUSADAへそのような寄付の申し出があったことを否定している。

 USADAはアームストロング氏が自転車競技史上最高に巧妙なドーピング事件の中心人物だったと断定するレポートを発表し、2012年10月、同氏にツール・ド・フランス(Tour de France)7連覇のタイトル剥奪と自転車競技からの永久追放の処分を課した。また、UCIは同氏の残した自転車競技の成績をすべて無効とした。

 USADAが発表した数百ページにもわたるレポートには、目撃者の証言やEメールの記録、財務記録、血液サンプルの鑑定結果などが収められていた。(c)AFP/Greg Heakes