【6月14日 AFP】米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)は13日、米国反ドーピング機関(United States Anti-Doping AgencyUSADA)が、世界最高峰の自転車ロードレース、ツール・ド・フランス(Tour de France)を7度制したランス・アームストロング(Lance Armstrong)氏をドーピング違反容疑で告発したと報じた。

 これを受けてアームストロング氏は声明を発表し、今回の告発は自分を禁止薬物違反に仕立て上げたいだけだとしてUSADAを批判した。

 アームストロング氏は声明で「USADAは16年以上にわたり正当性を認められなかった申し立てを行い、トライアスロン競技大会への出場禁止と、7度のツール・ド・フランス優勝を剥奪する可能性があると通達してきた。これらの判定には根拠が見当たらず、悪意に満ちたものだ」とコメントしている。

 ワシントン・ポスト紙によると、USADA側は2009年と2010年のアームストロング氏の血液サンプルを収集し、「エリスロポエチン(ErythropoietinEPO)の使用や、輸血による血液ドーピングと一致した」と主張している。

 1999年から2005年までツール・ド・フランス7連覇を達成し、近年はがんの撲滅活動に力を注いでいるアームストロング氏は、現役時代からドーピング疑惑を一貫して否定していた。

 アームストロング氏からはこれまで禁止薬物が検出されたことはないものの、元チームメイトのフロイド・ランディス(Floyd Landis)氏やタイラー・ハミルトン(Tyler Hamilton)氏が、同氏のドーピング違反を証言している。

 2月に米連邦検察は、アームストロング氏とそのほかの選手に対するドーピング疑惑の捜査を打ち切ることを発表しているが、USADA側は、スポーツの公平を守るために調査を継続し、検察当局に情報提供を求める意向を示していた。

 しかしながらアームストロング氏は、今回の一件はUSADA側の報復であるとの見解を示し、「私はドーピングをしたことはない。耐久レースに出場する選手として25年の間に500回以上もドーピング検査を受け、陽性反応は一度も検出されなかった。USADA側には公正さがかけている」と話した。(c)AFP

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