【6月15日 AFP】世界最高峰の自転車ロードレース、ツール・ド・フランス(Tour de France)を7度制したランス・アームストロング(Lance Armstrong)氏と、そのアームストロング氏の禁止薬物使用を告白した元チームメイトのタイラー・ハミルトン(Tyler Hamilton)氏が11日に言葉を交わした場面が写ったビデオテープを、米連邦捜査局(Federal Bureau of InvestigationFBI)が入手しようとしている。米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)が14日、報じた。

 米コロラド(Colorado)州アスペン(Aspen)にあるレストラン「カシュカシュ」の共同経営者であるジョディ・ラーナー(Jodi Larner)さんは、同紙の電話インタビューに答え、FBIのエージェントから監視カメラのテープのために召喚されるかもしれないと伝えられたという。

 レストランのビデオテープが実際にアームストロング氏とハミルトン氏が対面した場面を写しているかは明らかではない。

 現在は消滅したUSポスタルサービス(U.S. Postal Service)チームでアームストロング氏のチームメイトだったハミルトン氏は、アームストロング氏に最大の焦点が集まっているサイクルロードレース内のドーピング捜査で大陪審証言を行ったうちの一人で、5月にはCBSのテレビ番組「60ミニッツ(60 Minutes)」に出演して、更に公にアームストロング氏が禁止薬物を使っていたと訴えていた。

 アームストロング氏は、2001年のツール・ド・フランスに向けてエリスロポエチン(EPO)を使用したというCBSの報道を否定し、同局に謝罪を要求している。

 アームストロング氏の友人であるというラーナーさんによると、アームストロング氏はアスペンに居を構え、たびたびカシュカシュで食事をするという。一方のハミルトン氏は、雑誌「アウトサイド(Outside)」のイベントのためにアスペンを訪れており、「アウトサイド」は当初は2人が偶然はちあわせたと報じていた。

 ラーナーさんはニューヨーク・タイムズ紙に対し、「何も無かった」と語っており、また、アームストロング氏はアウトサイド誌に対し「確実にお互いが気まずい状態」ながらも「とりたてて何も無かった」と語っている。

 しかしながら、ハミルトン氏の弁護人はアームストロング氏を「好戦的」とみなしている。同氏は「『証言台でお前をめちゃくちゃにして、お前の人生を生き地獄にしてやる』と誰かに言われたら脅迫された気分でしょう。グレーの部分は多くは無い」と語っている。(c)AFP

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