【10月23日 AFP】ここ数週間でいくつかの目立ったドーピング事件が発覚するなど、難題を多く抱えている大会主催者のアモリ・スポール・オルガニザシヨン(Amaury Sport OrganisationASO)が22日、2009ツール・ド・フランス(2009 Tour de France)のコース概要を発表した。  大会総合ディレクターを務めるクリスティアン・プリュドム(Christian Prudhomme)氏は、最終ステージ1つ手前のステージで行われる伝統の2度目のタイムトライアルを、苦しい登りがあり「プロヴァンスの巨人」という異名を持つモンヴァントゥ山(Mont Ventoux)で行うことを明らかにした。大きく刷新されたコースはモナコ(Monaco)からスタートし、ピレネー山脈(Pyrenees)を越えてフランス東部へと向い、アルプス(Alps)を駆け抜けてゴール地点のパリ(Paris)に向う。2009年7月4日から26日にかけて行われるレースは興奮の入り混じった最高の賛辞を浴びた。  7月25日に行われるモンヴァントゥでのレースが優勝を決めるステージになりえることを知ったコフィディス(Cofidis)のチームマネージャー、エリック・ボワイエ(Eric Boyer)氏は「ヴァントゥで最終ステージ1つ手前のレースを行うとは、思い切ったね。もしツール(の優勝者)がそこで決まれば最高だろう」と語るなど、興奮をあらわにした一人だった。  個人及びチームのトライアルやピレネー山脈での3つのステージ群が第1週に組み込まれてはいるが、マイヨ・ジョーヌ(総合優勝)争いは最終週までは実際には始まらないだろう。マイヨ・ジョーヌを守りたいチームが、第3週のアルプスでのステージで活かすべきエネルギーを第2週で使わざるを得なくなるためだ。机上では比較的楽な第2週のステージ群だが、そこではプリュドム氏が「危険」と語るステージが特徴となっている。しかしながら全ライダーにとって厄介になるステージは、アルプスの脅威であるアルザス地域圏(Alsace)のコルマール(Colmar)へと向う第13ステージと勇気ある者とそうでない者とを分けるグランボルナン(Le Grand Bornand)へ向う第17ステージになるだろう。  初参戦となった2008ツール・ド・フランス(2008 Tour de France)で素晴らしい活躍を見せたチームCSC・サクソバンク(Team CSC Saxo Bank)のアンディ・シュレク(Andy Schleck、ルクセンブルク)は、タイムトライアルでの成績を伸ばすことができれば、チームメイトで兄のフランク・シュレク(Frank Schleck)抜いてチームリーダーとなることもできる。アンディは「見た感じでは素晴らしいルートだね。第3週で本当の強さを発揮しなければならない。僕自身は自分が本命とは思っていないけれど、最初のツールは12位で終えてる。それより少し上位を目指しているというのは、秘密でもなんでもない」と語っている。(c)AFP/Justin Davis