【7月1日 AFP】スポーツ仲裁裁判所(Court of Arbitration for SportCAS)は6月30日、2006ツール・ド・フランス(2006 Tour de France)を制したものの、ドーピング検査で陽性反応が検出されたため優勝を剥奪されたフロイド・ランディス(Floyd Landis、米国)の申し立てを退けた。これの結果、ランディスの同大会の優勝剥奪が確定した。

 CASは米国仲裁協会(American Arbitration AssociationAAA)が下した2007年1月30日から2年間の出場停止処分をを支持し、またランディスに仲裁費用として米国反ドーピング機関(United States Anti-Doping AgencyUSADA)へ10万ドル(約1062万円)の支払いを命じられた。

 ランディスは2006ツール・ド・フランスを制したが、第17ステージ終了後に行われた検査で筋肉増強作用のある男性ホルモンのテストステロン(Testosterone)の陽性反応が検出され、タイトルを剥奪されていた。同大会の第16ステージを終えた時点で、総合首位から後退したランディスは続く第17ステージで約8分の差を詰めて、優勝に向けて大きく前進していた。

 ランディスは全ての不正を否定し公開審議で潔白を訴えていたが、USADAのパネルは2対1で訴えを退け、ランディスには2年間の出場停止を科した。国際自転車競技連合(International Cycling UnionUCI)は、出場停止が科された後に2006ツール・ド・フランスのタイトルをランディスから剥奪し、2位で終えたオスカル・ペレイロ(Oscar Pereiro、スペイン)が繰上げ優勝となった。ランディスはその後CASに提訴し、ランディスのドーピングサンプルを扱ったフランスの研究所の信頼性を非難していた。

 研究所は「研究所の国際基準を違反していない」とし「フロイド・ランディスのサンプルに存在する外因性のテストロテンや代謝の前駆体が、ICUの反ドーピング規則に彼が抵触していることを証明している」と、CASは申し立てを退けた理由を明かしている。(c)AFP