【12月30日 AFP】ブエルタ・ア・エスパーニャ(Vuelta a Espana)を3度制したの経験を持ち、2007年10月にドーピングによる2年間の出場停止が解かれたロベルト・エラス(Roberto Heras、スペイン)が現地29日、現役引退を決意したことを明らかにした。

 複数のサイクリングチームからオファーを受けていたものの、反ドーピング倫理規定においてプロツアー(ProTour)に出場するチームに2年間加わることが出来ないと語ったエラスは、スペインのスポーツ紙マルカ(Marca)に対し、「もう諦めた。戻ることは無い。倫理規定がなんであるか、何故プロツアーに出場するチームが私のように出場禁止を受けた選手を雇うことが出来ないのか、まだ理解できない。他のトップ選手たちもチームを探し出すことが出来ず、辞めなければならなくなる。今サイクリング界は悪い期間に入っている。チーム、主催者、国際自転車競技連合(International Cycling Union:UCI)は争っていて、結束していない。この危機から抜け出すのは容易ではない」と語っている。

 エラスは2005年に4度目のブエルタ・ア・エスパーニャ制覇を目の前にしていたが、最終ステージのドーピング検査で禁止されているエリスロポエチン(ErythropoietinEPO)の陽性反応が検出され同年10月から2年間の出場停止処分を科せられていた。

 リバティ・セグロス・ウルト(Liberty Seguros-Wurth)で活躍したエラスは、過去に出場停止が解けた後には復帰の意向を示していた。(c)AFP