【11月28日 AFP】ドイツ大手電気通信事業者ドイツテレコム(Deutsche Telekom)傘下の携帯電話会社、T-モバイル(T-Mobile)は27日、一連のドーピングスキャンダルを受け、サインクリングチームのスポンサーから撤退することを明らかにした。

 Tモバイルのハミド・アカバン(Hamid Akhavan)氏は「近年のスポーツ界、特に自転車競技におけるドーピングスキャンダルから、企業とT-モバイルブランドの距離を置くために撤退を決定した。我々は汚染の無い自転車競技の実現を目指しチームと共に努力を重ねてきたが、これからは他のことへ出資することを決定した」と声明を発表した。

 プロサイクリングにおける強豪チームの1つであるT-モバイルチーム(T-Mobile Team)は近年、所属選手によるドーピング疑惑や告白により、大きく揺れていた。

 チームは2006年7月、スペインにおける一連のドーピング事件との関わりを疑われた1997年ツール・ド・フランス(Tour de France)の王者ヤン・ウルリッヒ(Jan Ullrich、ドイツ)を解雇した。またチームの前身であるテレコム(Telekom)時代にチームトレーナーを務めていたJef d’Hont氏は、自身がウルリッヒに対し禁止薬物に指定されているエリスロポエチン(Erythropoietin:EPO)を投与したとの主張を行い、これを受け、かつてテレコムに所属していたエリック・ツァベル(Erik Zabel、ドイツ)と1996年のツール・ド・フランス王者のビャルネ・リース(Bjarne Riis、デンマーク)氏は在籍時に禁止薬物を使用していたことを認めた。

 さらにT-モバイルチームは7月に、薬物検査で血液中から高濃度のテストステロン(Testosterone)が検出されたパトリック・シンケウィッツ(Patrik Sinkewitz、ドイツ)を解雇している。

 T-モバイルは8月に、2010年までプロサイクリングチームのスポンサーを務めることを明らかにしていたが、プロサイクリングとの16年間の関係を直ちに終わらせる決定を下した。(c)AFP