【5月22日 AFP】自転車レース、ツール・ド・フランス(2006 Tour de France)を制するも、ドーピング疑惑の渦中にあるフロイド・ランディス(Floyd Landis、米国)の公聴会が21日、カリフォルニア州マリブのペッパーダイン大学(Pepperdine University)で行われた。
公聴会の7日目となったこの日は、科学専門家が薬物疑惑の潔白を主張したランディスを支援する見解を表明した為にランディスの公聴会は月曜日(現地時間21日)にずれ込んだ。6日目の公聴会で潔白を主張したランディスは、火曜日(現地時間22日)の公聴会から米国反ドーピング機関(USADA:United States Anti-Doping Agency)の弁護士から反対尋問を受ける予定になっている。
ランディスのドーピング疑惑についての最終判断を下す3人の裁定人は、北アイルランドの首府ベルファストにあるクイーンズ大学(Queen’s University)の同位炭素比率テストを研究するWolfram Meier-Augenstein博士からフランスのドーピング検査機関LNDD(Laboratoire National Depistage de Dopage)が行ったドーピング検査のデータが正確ではなかったという意見を聞いた。同博士はこれまで物質を分離、精製する「クロマトグラフィー」には欠点があると主張しており、この技法でのドーピング検査に批判的だった。
公聴会に出席したAugenstein博士は「(ドーピング検査について)この技法で検査を行った場合、誰の基準でもそれは十分正確ではありません」とドーピング検査の技法に疑問を投げ掛けた。
さらに、USADAの弁護士であるリチャード・ヤング(Richard Young)氏による反対尋問を受けたAugenstein博士は検査内容にステロイドの代謝物質を含んでいるかどうかを調べるテストを含んでいなかったことは認めたが自身が行った同位炭素比率テストの能力に関しては「誰かのキャリヤがそれに左右された場合、その人のキャリアも左右されることになる。仮定だけで続けることは出来ない」と自説を固守した。
ランディスは、2006年のツール・ド・フランスの第16ステージを終えて総合優勝から遠のいたようにみえたが、第17ステージでは怒濤の追い上げをみせ優勝を飾った。第17ステージ終了後、ランディスから採取された尿サンプルの一つから人工テストステロンの陽性反応が検出された。
ランディスは、自身がLNDDの雑な仕事の犠牲者であるとの主張を展開しており、14日から始まったこの公聴会でドーピング検査で幾つかの誤りがあったことも確認されている。裁定人の最終的判断の大部分は科学的調査によって行われ、証言の多くは検査手順の技術的な議論と検査を行ったLNDDの質を問うものとなる。
先週にはJoe Pappと元五輪分析研究所のDon Catlin氏は、ランディスがドーピングの検出を回避したわずかな投与量のテストステロンがスポーツ選手における興奮状態から回復するのを助ける効果がある「マイクロドージング法」を駆使してドーピングの検出を逃れたと証言している。
この証言を受けてワシントン大学(University of Washington)のJohn Amory医師は「私の研究資料に基くと、テストステロンには興奮状態が回復する効能はない」と語り、わずかな投与量ではテスターを逃れることは出来るが有益な効果は何一つもたらさないとの主張を展開した。
また、Amory医師は「私はドーピングをしたのを確認するのにそれらを使用するとは思えない」とランディスのドーピング検査の結果が矛盾していると語っており、意見が食い違う場面が多く見られている。
ランディスの元マネージャーWill Geoghegan氏は、不利な証言をさせる為にグレッグ・レモン(Greg LeMond)氏が子供時代に性的虐待を受けていたことに対する匿名の脅迫電話をかけたことが明らかになり、木曜日に解雇にされている。
Brent Kay医師は「彼は自身の問題を取り除くためにリハビリテーションプログラムを行っています。Geoghegan氏は過去数か月に渡り多くのストレスが貯まっていた。そして、先週の水曜日には不幸な事件を引き起こさせた」と語った。(c)AFP/REBECCA BRYAN
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