
【ロサンゼルス 19日 AFP】自転車レース、ツール・ド・フランス(2006 Tour de France)を制するも、ドーピング疑惑の渦中にあるフロイド・ランディス(Floyd Landis)の公聴会は6日目を迎え、ランディス自ら潔白を主張した。
■ランディス、禁止薬物使用を特に強く否定 “そのような手段を用いての勝利は価値のないこと”
ランディスは「人々は自らの信条によって定義され、それによって結論を出すものだ。私の場合、自転車競技は自分自身を誇ることができ、結果を見ることのできる純粋な事実によるものである。不正をしてツール・ド・フランスに勝利しても何の意味も持たないし、その勝利は誇れるものではないだろう」と語った。
ランディスは、2006年のツール・ド・フランスの第16ステージを終えて総合優勝から遠のいたようにみえたが、第17ステージでは怒濤の追い上げをみせ優勝を飾った。第17ステージ終了後、ランディスから採取された尿サンプルの一つから人工テストステロンの陽性反応が検出された。
ランディスの弁護士Howard Jacobs氏が、第17ステージの前夜にテストステロンを使用したかとの問いにランディスは「いいえ」と答えた。
「ツール・ド・フランス開催中に他の禁止薬物を使用しましたか」とのJacobs氏の質問に対してもランディスは「いいえ」と答えた。
14日から行われているこの公聴会は、ランディスの要望により一般公開されている。しかしこの公聴会はランディスの関係者が、参考人として出廷したグレッグ・レモン(Greg LeMond)氏が子供時代に性的虐待を受けていたことに対する匿名の脅迫電話をかけたことが明らかにされるなど、ランディスにとって不利な方向へと進んでいる。
自らの弁護士から悪意のない質問であっても、1時間15分に及ぶランディスの証言は、この疑惑を晴らすようなものではなかった。
ランディスは、マネジャーのWill Geoghegan氏が脅迫電話をかけた時に、友人とGeoghegan氏と共に同じホテルのダイニングルームにいたことは認めている。しかし何が起こったか理解していなかったと話し、この事実を知ったとき驚いたと話す。
レモン氏は17日の公聴会で、証言を妨げる目的とされる電話があったと話し、ランディスのドーピングを示唆した。
ランディスはレモン氏の性的虐待に関して「誰かに起こってしまう可能性のあるものであり、最悪なことの一つだ。そのことを軽視することは・・・・言葉に言い表せない」と話している。
また、ランディスは2006年8月6日のレモン氏との電話で、レモン氏が性的虐待のことについて話したとし、弁護団とその件が証言の一部として発言される可能性があると話し合ったことについて明らかにし、レモン氏が自身の著書で、受けていた性的虐待に対して言及しているので、そのことが特別な秘密だとは思わなかったとも話している。
またレモン氏が証言した8月6日の電話について、不正を認めたことはないと反論した。さらにレモン氏がランディスは有罪であるという信念と真実を話すように助言したということについてランディスは「私はやってないと言った。やっていないことを認めることは理解できないことだと彼に話した」と証言した。
■Don Catlin氏、もし異なった基準が適応されていたら陰性を示していただろう
ランディスのJacobs弁護士の質問は6日目までで終わり、21日から再会される公聴会では米国反ドーピング機関(USADA:United States Anti-Doping Agency)側の弁護士から質問を受けることになっている。
裁定人の最終的判断の大部分は科学的調査によって行われ、証言の多くは検査手順の技術的な議論と検査を行ったフランスのドーピング検査機関LNDD(Laboratoire National Depistage de Dopage)の質を問うものである。
同日、ドイツスポーツ大学(German Sports University)の生化学者、Wilhelm Schanzer氏が電話を通して証言を行い、またUCLAオリンピック分析研究所(UCLA Olympic Analytical Laboratory)の元所長であるDon Catlin氏も証言に参加した。
Schanzer氏は、LNDDから提出された今回の件の資料をSchanzer氏の見地から見ると「明らかにこの分析的な所見は陰性を示している」と話している。
またこの結果はテストステロンのジェルを皮膚に塗って断続的に使用した影響が出ていると証言した。
またCatlin氏は、世界反ドーピング機構(World Anti-Doping Agency:WADA)の基準で陽性反応を示したデータに関し、もし異なった基準が適応されていたら陰性を示していただろうと話した。
公聴会でランディスには、3人の陪審員の判断によりツール・ド・フランスのタイトル剥奪と2年間の出場停止処分が下される可能性があるが、処分を下された場合にランディスは、スポーツ仲裁裁判所(CAS: Court of Arbitration for Sport)に訴えることが可能である。
ランディスに処分が下されなかった場合は、米国反ドーピング機関(USADA)を始め国際自転車競技連合(UCI:International Cycling Union)や世界反ドーピング機構がスポーツ仲裁裁判所に訴えるものとみられている。
写真は、公聴会に出席したランディス。(c)AFP/Gabriel BOUYS
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