【3月25日 AFP】ギリシャ南西部オリンピア(Olympia)で24日に行われた北京五輪の聖火採火式は、人権活動家が乱入する騒ぎがあったが、25日の中国国営メディアは事件を一切伝えず「採火式は大成功」と報じている。

 事件は採火式の式典で劉淇(Liu Qi)北京五輪組織委員会(BOCOG)会長が演説している最中に、厳重な警備を突破した人権活動家ら3人が会場に乱入し、北京五輪のボイコットを呼び掛けたもの。ギリシャ、中国両政府は完全に面子をつぶされた形だ。

 しかし、中国国営紙の紙面は、事件の報道は一切見られず、代わりに採火式を称賛する記事であふれている。

 英字紙「チャイナ・デーリー(China Daily)」は、聖火採火式を「金メダルに向かっての完璧なスタート」と評し、「式典中継を視聴する家々から沸き起こる歓声が国内各地で聞かれ、中国国民の興奮は、2001年に北京五輪の開催が決定した時並みだ」と伝えた。

 ただし、中国の人々が目にするのは検閲済みのテレビ映像で、活動家乱入の場面はカットされている。

 共産党機関紙「人民日報(People's Daily)」も、「聖火採火式は成功裏に終了した」と報じている。(c)AFP