【8月6日 AFP】米大リーグ機構(MLB)は5日、薬物規定違反により、ニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)のアレックス・ロドリゲス(Alex Rodriguez)に対し、2014年シーズン終了までの出場停止処分を科したと発表した。

 MLBは、フロリダ(Florida)州マイアミ(Miami)のクリニック「バイオジェネシス(Biogenesis)」から禁止薬物の提供を受けたとされるほかの12名の選手には50試合の出場停止を言い渡しており、ロドリゲスは処分を不服として異議申し立てを行う方針を示している。

 過去にア・リーグ最優秀選手(MVP)に3度輝いているロドリゲスは、テストステロン(testosterone)やヒト成長ホルモン(HGH)を含む禁止薬物を使用し、さらにはMLBの調査を妨害しようとしたとされる。しかし、数週間におよんだこの憶測は今回の発表により区切りを迎えた。

 股関節と大腿四頭筋の負傷によるリハビリを終えて、5日の試合でヤンキースの一員として今季初出場することが見込まれているロドリゲスの処分は、8日に実施される。ロドリゲスが異議を申し立てた場合、その期間中はプレーが認められる。

 ロドリゲスは、「処分に失望している。そして異議申し立てを行い、この問題と戦っていくつもりだ」とコメントしている。

 2009年に、テキサス・レンジャーズ(Texas Rangers)所属時代の2001年から2003年まで、ステロイドを使用していたことを認めているロドリゲスの処分は、合計211試合となっている。

 5日に下された処分は、メジャー歴代5位となる通算647本塁打を放ち、2009年にはワールドシリーズ制覇を果たしたロドリゲスのこれまでの業績と、同選手が所属するヤンキースに暗い影を落とした。

 一方、レンジャーズのネルソン・クルーズ(Nelson Cruz)、デトロイト・タイガース(Detroit Tigers)のジョニー・ペラルタ(Jhonny Peralta)を含めた12選手は、50試合の出場停止処分を受け入れている。

 処分を受け入れたのは、サンディエゴ・パドレス(San Diego Padres)のエバース・カブレラ(Everth Cabrera)とファウティノ・デロスサントス(Fautino De Los Santos)、ヤンキースのフランシスコ・セルベーリ(Francisco Cervelli)とフェルナンド・マルティネス(Jesus Fernando Martinez Alvarez)、フィラデルフィア・フィリーズ(Philadelphia Phillies)のアントニオ・バスタルド(Antonio Bastardo)、シアトル・マリナーズ(Seattle Mariners)のへスス・モンテロ(Jesus Montero)、ヒューストン・アストロズ(Houston Astros)のセルジオ・エスカローナ(Sergio Escalona)、ニューヨーク・メッツ(New York Mets)のジョーダニー・バルデスピン(Jordany Valdespin)とシーザー・プエロ(Cesar Puello)、フリーエージェント(FA)のジョーダン・ノルベルト(Jordan Norberto)となっている。

 クルーズの出場停止は、レンジャーズにとって大きな損害となる。クルーズは今季27本塁打、76打点の成績を残し、チームをけん引する活躍を見せていた。

 一方、ペラルタの出場停止を見越したタイガースは、ボストン・レッドソックス(Boston Red Sox)からホセ・イグレシアス(Jose Iglesias)を獲得している。(c)AFP