【3月31日 AFP】米大リーグ(MLB)の2011年シーズンは、投手力によってその趨勢が再び決まるとみられている中、ナショナルリーグではフィラデルフィア・フィリーズ(Philadelphia Phillies)が豊富な投手陣をそろえて、ワールドシリーズ2連覇を目指すサンフランシスコ・ジャイアンツ(San Francisco Giants)への挑戦に備えている。

■フィリーズ、充実の投手陣

 テキサス・レンジャーズ(Texas Rangers)残留、あるいはニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)への移籍という破格の誘いを蹴ったクリフ・リー(Cliff Lee)は、すでにロイ・ハラディ(Roy Halladay)やロイ・オズワルト(Roy Oswalt)、そしてコール・ハメルズ(Cole Hamels)を擁しているフィリーズのローテーションの一角に入った。

 ローテーションの柱として、チームを56年ぶりのワールドシリーズ制覇に導いたジャイアンツのティム・リンスカム(Tim Lincecum)は「ほとんどの人はフィリーズが抜け出ると思っているだろうね」と語ったものの、勝負を投げたわけではない。「対戦してみないと分からないよ」

 フィリーズは春季キャンプで強打者チェイス・アトリー(Chase Utley)が負傷したため、出遅れる可能性も出てきている。アトリー不在の中、フィリーズの打撃陣はジミー・ロリンズ(Jimmy Rollins)とライアン・ハワード(Ryan Howard)の活躍が必要となってくる。

■レンジャーズの強力打線にも注目

 リーの引き留めに失敗した昨季アメリカンリーグ王者のレンジャーズには、同リーグの最優秀選手を獲得したジョシュ・ハミルトン(Josh Hamilton)が在籍する。ハミルトンは肋骨骨折で1か月戦列を離れたものの、2010シーズンは打率.359でリーグ首位打者を獲得、32本塁打、100打点を稼いだ。

 昨シーズン、球団創設50年目で初めてワールドシリーズに出場したレンジャーズは再び強力打線に頼ることになるとみられる。レンジャーズは、ア・リーグ西地区のオークランド・アスレチックス(Oakland Athletics)やロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイム(Los Angeles Angels of Anaheim)に100得点差以上をつけるなど大きく水をあけており、さらにラインナップにはエイドリアン・ベルトレー(Adrian Beltre)を加えている。

 しかしながら、ア・リーグの話題の中心はやはり人気強豪チームのヤンキースとボストン・レッドソックス(Boston Red Sox)になるだろう。

 レッドソックスは、一塁手のエイドリアン・ゴンザレス(Adrian Gonzalez)、外野手のカール・クロフォード(Carl Crawford)を補強した。一方のヤンキースは、タレントぞろいの打線が得点と出塁率で昨シーズンのMLBトップの記録を残しており、今シーズンはさらによい成績を残す可能性がある。三塁手のアレックス・ロドリゲス(Alex Rodriguez)が調子を上げており、遊撃手のデレク・ジーター(Derek Jeter)は打撃フォームの調整を行っている。(c)AFP/Rebecca Bryan