【3月28日 AFP】25日と26日に行われた08MLB日本開幕シリーズ、オークランド・アスレチックス(Oakland Athletics)vsボストン・レッドソックス(Boston Red Sox)戦は、チケットが売り切れとなるなど満員の観衆を東京ドーム(Tokyo Dome)に集めたが、日本の球団はその熱気を共有してはいない。

 レッドソックスの松坂大輔(Daisuke Matsuzaka)が6年総額5200万ドル(約60億8400万円)の大型契約を結ぶなど、日本球界ではここ数年、才能ある選手たちが数百万ドルの給料を受け取ることができて今まで以上にマスコミやファンの関心を集めることができるメジャーリーグへと活躍の場を移しており、今回のシリーズ開幕戦では松坂と岡島秀樹(Hideki Okajima)が登板するなど、約4万5000人の観衆を集めた。

 しかし期待はずれに終わった松坂のパフォーマンスにもかかわらず、この試合の報道は数日前にレギュラーシーズンが開幕したパリーグの試合の報道を新聞の後面へと追いやった。

 北京五輪の野球日本代表監督を務める星野仙一(Senichi Hoshino)氏は、自身のホームページ上で「日本の野球はすでにシーズン開幕を迎えている。それなのになぜ彼ら(大会コミッショナー)は、日本の野球のビジネスライバルであるメジャーリーグが開幕戦を日本で行うことを許可したのか?これは運営妨害である」とコメントしている。

 また、怒りを示しているのは日本人だけではなく、千葉ロッテマリーンズ(Chiba Lotte Marines)のボビー・バレンタイン(Bobby Valentine)監督も「これは日本の野球を世界一魅力的なものにしようとは考えていない人たちによる間違った決断で、日本野球機構はパリーグを過小評価している」と批判している。

 読売ジャイアンツ(Yomiuri Giants)に所属する上原浩治(Koji Uehara)投手もまた、今回の開幕シリーズを快く思っていない選手の一人だ。アスレチックス戦での先発を任され、2回を無失点に抑えた上原は、日本テレビの番組内で「なぜパリーグのレギュラーシーズンがスタートしているのに、メジャーリーグが日本で試合をするのか?彼らはパリーグがすでに始まっていることについてよく考えるべき」と疑問を投げかけていた。

 日本では4年前に松井秀喜(Hideki Matsui)が所属するニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)が日本でタンパベイ・レイズ(Tampa Bay Rays)と開幕戦を行った際にも、同じ疑問が浮かび上がっており、元西武ライオンズ(Seibu Lions、現埼玉西武ライオンズSaitama Seibu Lions)監督の森祇晶(Masaaki Mori)氏は、「コミッショナーがMLBと話し合って、スケジュールが重ならないように交渉したかどうかは分からない。もしそうであれば彼は強く反対するべき」と話していた。(c)AFP/Hidenori Fukuo