【1月8日 AFP】(一部訂正)MLBニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)からフリーエージェント(FA)となっているロジャー・クレメンス(Roger Clemens)投手は、16日に予定されている米議会下院政府改革委員会(House Oversight and Government Reform Committee)による公聴会に先立って真実を証言する意思があることを明かした。しかし、クレメンスはこれまでにステロイドを使用したことはないという自身の主張を裏付けるために嘘発見器による検査を受けることにはためらいをみせた。

 クレメンスは現地7日、故郷であるテキサス(Texas)で記者会見に臨み、ジョージ・J・ミッチェル(George J. Mitchell)元上院議員が発表した報告書の中で名前が挙がって以来初めて公の場に姿を現し、自分の主張を一貫して貫き、自身に浴びせられている批判を一蹴した。

 クレメンスは「私は自分の身を守るためなら幾らでもお金を使う使うつもりです。最終的に私が手にするのは謝罪のはずです。私が不正行為を行ったとか、ステロイドを使用したなどと言う人たちとは戦うつもりです」と会見で語った。

 クレメンスは4年間に亘り、少なくとも16回はステロイド(steroid)とヒト成長ホルモン(Human Growth Hormone、HGH)を注射したと主張する元トレーナーのブライアン・マクナミー(Brian McNamee)氏への批判については多くを語らず、現地6日にマクナミー氏を名誉棄損で訴えたことを明らかにした。

 現地4日に密かに録音された17分間に及ぶクレメンスとマクナミー氏との電話の中で、クレメンスは「どんな人間も潰瘍を持っているんだ。私は今回の件で打ちのめされた。どんなことがあろうとも、私は調査団にステロイドを使用したと言ったその理由を突き止めてみせます。私と私の家族は麻痺してしまっている、家に掛かってくる電話も全て、、、皆おかしくなっている。この事件はまるで自分の胃を取り出して食べているみたいだ」とマクナミー氏に話している。
 
 しかし、録音されたテープの中で何度も何度も繰り返しマクナミー氏がクレメンスに対し何をして欲しいのかと尋ねても、クレメンスは即答しなかった。

 後から記者になぜ返事をしなかったのかを尋ねられた際にクレメンスは、答えればマクナミー氏を危険な状況に追い込むかもしれない厄介な状況を作りだすからだと遠回しに語った。

 また会見でクレメンスは「私は怒っています。マクナミー氏にはこの場に来て欲しいと思うが、同時に彼のことが気がかりでもあります。私の家族もとても動揺しています」と話した。

 クレメンスの弁護士を務めるラスティ・ハーディン(Rusty Hardin)氏は、「私はクレメンスに嘘発見器は薦めません。私はそれを信用していません」と会見で話し、以前は構わないと話していた嘘発見器による検査を拒否すると主張した。

 また、16日に予定されている公聴会に関してクレメンスは、「公聴会には出席する。そして真実を話します。多くはないが私がステロイドについて知っていることを全てを話します。これはクラブハウスで日頃話されていることとは違います」と、公聴会に出席することを明かした。(c)AFP