【11月20日 AFP】ニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)と契約延長間近にいるアレックス・ロドリゲス(Alex Rodriguez)が19日、自身3度目となるアメリカン・リーグのMVPを獲得した。2007シーズンにロドリゲスは、打率.314、54本塁打、156打点、24盗塁を記録した。

 ロドリゲスは、「個人的には、2006シーズンの不振を振り払うことができてとても満足している。またヤンキースの一員として世界中に自分がどんな選手であるかを示すことができた」と受賞の喜びを語った。

 しかしロドリゲスは満足感に浸ることなく、未だ果たせていないワールドシーリーズ制覇について、「これで3度目のMVPになるが、この3度のMVPを1度のワールドシリーズ制覇と交換してもいい。2回優勝したいとは言わない。私はまた1度もこのチームでワールドシーリーズを制していない。我々が試合をするのも、私がニューヨークに来たのも、そしてニューヨークでやり残した仕事があるのも、全てはここでワールドシリーズを制覇してないからだ」と語った。

 ロドリゲスは全米野球記者協会(Baseball Writers Association of America:BBWAA)の投票で、1位票を26票獲得し合計382ポイントを獲得した。2位には1位票を2票獲得し258ポイントを獲得したデトロイト・タイガース(Detroit Tigers)のマグリオ・オルドニエス(Magglio Ordonez)が入り、また3位にはロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイム(Los Angeles Angels of Anaheim)のブラディミール・ゲレーロ(Vladimir Guerrero)が、4位にはボストン・レッドソックス(Boston Red Sox)のデビッド・オーティス(David Ortiz)がそれぞれ入った。

 ロドリゲスはテキサス・レンジャーズ(Texas Rangers)に所属していた2003年とヤンキースの選手として獲得した2005年と合わせて3回目のMVP受賞となったが、これまでにMVPを3回以上受賞しているのは、ただ一人で歴代最多本塁打数記録を保持するバリー・ボンズ(Barry Bonds)がこれまでに7回受賞している。

 11月27日で32歳になるロドリゲスはメジャー史上最年少での500本塁打を達成している。怪我をしないかぎりロドリゲスがボンズの通算本塁打記録を塗り替える可能性は高く、ヤンキースとの10年2億7千500万ドル(約303億円)と言われる新契約にもその期待は含まれている。

 ロドリゲスは2007年シーズンのオフにヤンキースからの退団することを考えていた際に、米投資家でベースボールのファンでもあるウォーレン・バフェット(Warren Buffett)氏からアドバイスを受け、代理人のスコット・ボラス(Scott Boras)氏抜きでヤンキースのオーナーと直接会い新契約を結ぶ運びとなった。

 チームメイトの負傷とチームの不調が重なり、ヤンキースが最悪のシーズンスタートを切った4月にロドリゲスは打率.355、14本塁打、34打点と一人気を吐いた。やがて松井秀喜(Hideki Matsui)やジョニー・デーモン(Johnny Damon)らが本来の調子を取り戻し、チームはプレーオフ進出を果たすも、ロドリゲスはチームがどんな状態であれヤンキースのためにベストを尽くし続けた。ロドリゲスは「厳しい戦いが続き、シーズン終了後は精神的に消耗してしまった」と語っている。(c)AFP