【7月29日 AFP】(記事更新、写真追加)プロ野球の千葉ロッテマリーンズ(Chiba Lotte Marines)や阪神タイガース(Hanshin Tigers)、米大リーグ(MLB)のニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)などで投手として活躍した伊良部秀輝(Hideki Irabu)さん(42)が27日午後、米ロサンゼルス(Los Angeles)郊外の自宅で死亡していたことが分かった。郡保安官事務所が28日発表した。自殺とみられ、友人が発見し通報したという。

 詳細は公表されておらず、同事務所が捜査を続けている。

 伊良部さんはプロ野球で活躍した後、1997年にヤンキース入団。同年7月10日のメジャー初登板時には、日本人記者100名を含む300名の記者が取材に訪れた。1998年、99年には、プレーオフでの登板は無かったものの、チームのワールドシリーズ連覇に貢献。98年は28試合に先発登板し、防御率4.06で13勝を挙げるなど、自身のメジャー最高成績を収めた。

 しかしながら、伊良部さんはヤンキース時代にその粗雑な振る舞いから批判を招いて、中傷を受けることもあった。また、春季キャンプでの緩慢なプレーで、ヤンキースの元オーナー、故ジョージ・ スタインブレナー(George Steinbrenner)氏の怒りを買い、「太ったヒキガエル」と呼ばれた。

 2000年にはモントリオール・エクスポズ(Montreal Expos、現ワシントン・ナショナルズ(Washington Nationals))にトレード、その後テキサス・レンジャーズ(Texas Rangers)へ移籍し、2004年に阪神で引退した。

 1995年にロッテ時代の伊良部さんを監督として指導したボビー・バレンタイン(Bobby Valentine)氏は、伊良部さんが野茂英雄(Hideo Nomo)氏のように、イチロー(Ichiro Suzuki)や松井秀喜(Hideki Matsui)のメジャーリーグへの移籍の道を切り開いたと示唆している。

 「彼はワールドクラスの投手だった。素晴らしい腕だ。パイオニアの一人だった。多くのことが彼の肩にかかっていた」(c)AFP