【12月30日 AFP】キューバの投手ヤデル・マルティ(Yadel Marti)と、外野手のヤセール・ゴメス(Yasser Gomez)がMLB挑戦に名乗りを挙げるため祖国を発ったと、米スポーツ専門チャンネル「ESPN」がウェブサイト上で伝えた。

 ESPNは匿名情報として、キューバに住むマルティとゴメスの親族や友人らが、2選手がキューバから出国し、現在行方不明ながらもドミニカ共和国を目指していることを明かしたと伝えている。両選手は、米国の大学生のようにドラフトに割り当てられる権利はあるが、ドミニカ共和国などの国ではフリーエージェント(FA)となり、MLB30球団の中で最高入札チームが獲得できる。

 投手のマルティは、2006年のワールド・ベースボール・クラシック(World Baseball Classic)のキューバ代表として12回2/3を投げ1勝2セーブ、防御率0.00を記録している。キューバ代表は決勝で日本に敗れ準優勝に終わっている。

 ハバナ(Havana)に本拠地を置くインダストリアレス(Industriales)に所属するマルティとチームメイトのゴメスは、キューバ野球連盟(Federacion Cubana de BeisbolFCB)から重大な違反により国内リーグから追放されたという。ESPNはマルティとゴメスはキューバから亡命するためのボートに乗船しようとしたものの拘束されたと報じている。

 マルティはインダストリアレスで67試合に登板し防御率3.23を記録、一方1997年に新人王を獲得したゴメスは通算打率.331を記録しているが、ワールド・ベースボール・クラシックや北京五輪には出場していない。(c)AFP