写真はローマで6日、警官死亡事件について下院で答弁するアマート内相(左)とジョバンナ・メランドリ(Giovanna Melandri)スポーツ相(右)。(c)AFP/ANDREAS SOLARO
【ローマ/イタリア 6日 AFP】ジュリアーノ・アマート(Giuliano Amato)内相は5日の議会で、サッカースタジアムでの安全対策順守策を政府が強制した場合に予想されるイタリア・サッカー協会(FIGC)からの圧力に屈しないよう議員らに警告した。
イタリアでは2日、セリエA・第22節にシチリア(Sicilia)島で行われたダービーマッチ、カターニア(Catania)対パレルモ(US Citta di Palermo)戦でファン同士の衝突が暴動に発展、警察官1人が死亡し、サッカーファン100人が負傷した。死亡した警官の顔には観客が投げ入れた手製爆弾が当たったとみられている。また出動した機動隊とカターニアのファンが衝突し、11人の未成年者を含む34人が逮捕された。
■中止されたままの試合
イタリアではこの事件を受け、プロアマ問わず事件後に開催が予定されていたすべてのサッカー試合が中止されたままだ。
アマート内相は「自治体もクラブも収入をサッカーに頼っているため、(協会からは)試合継続の圧力がかかるだろう。しかし、警備担当の警察官や観戦する市民に対し、われわれはそうした圧力に抵抗する義務がある」と述べた。
さらに同内相は、全国紙へのインタビューで「サッカーをストップしないことが最優先」と述べた伊サッカー協会のアントニオ・マタレーゼ(Antonio Matarrese)会長の発言に対し、「経済的関心に基づいて試合を続行させるべきと固執するよりも、観客が安全に試合観戦できるほうがよっぽど重要だ」と鋭く非難した。
■「サッカーはストップしてはならない」
前日、全国紙レプブリカ(La Repubblica)が報じたインタビューで同会長は「事件には大きなショックを受けているが、それでも試合は断固続行する必要がある」と答え、「サッカーはストップしてはならない。これが第1だ。サッカーは産業だ。工場を閉鎖して、再開時期が分からないまま成り立つ産業なんてこの世にないだろう」とも述べている。
6日に実施予定の新しい安全対策に関する閣議終了後、FIGCでは試合の再開時期を決定する予定となっている。
サッカー協会関係者らと5日に緊急対策会合を行った政府は、スタジアムのセキュリティーが現在の規定を満たしていないクラブの試合を当面、無観客試合とすることを発表した。
現行のスタジアム安全規定は前政権中に定められたもので、CCTV監視カメラの設置、氏名を明記したチケットの発行、自動回転ドアの設置、適切な会場案内、人種差別的な横断幕の禁止、花火や発炎筒の禁止などが含まれるが、規定を満たすスタジアムは全国で4か所にとどまるとみられる。
イタリア最大のスポーツ紙ガゼッタ・デッロ・スポルト(Gazzetta dello Sport)は、今週末に観客を動員して行われる試合は2試合のみになりそうだと報じた。写真はローマで6日、警官死亡事件について下院で答弁するアマート内相(左)とジョバンナ・メランドリ(Giovanna Melandri)スポーツ相(右)。(c)AFP/ANDREAS SOLARO