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【国境なき医師団】
世界保健機関(WHO)の専門家らが栄養失調の治療に向けた新たな勧告策定のために9月30日から開催する会議は、乳幼児を対象とする食糧援助と栄養治療プログラムの内容に対して大きな影響を与えるものと国境なき医師団(MSF)は見ている。
MSFはWHOの専門家に対して、この機会に食糧援助と栄養失調治療プログラムの基準を高めるよう要請した。
南アジア、サヘル地域(サハラ砂漠南縁)、「アフリカの角」(ソマリア半島)など、栄養失調による打撃を慢性的に受けている地域では、多くの家庭で栄養のある食品を買えず、必須栄養素の多くが欠けた穀物の粥だけで生き延びることを余儀なくされている。
にもかかわらず、国際機関や資金拠出者が現在実施している食糧援助も穀物が中心である。こうした援助食糧には、幼児に必要な栄養素を多く含む牛乳などの動物性食品が含まれていない。
MSFの必須医薬品キャンペーンでエグゼクティブ・ディレクターを務めるティド・フォン・シェーン・アンゲラー医師は語る。
「私たちは自分の子どもには穀物のお粥だけを与えることはしないのに、なぜ食糧援助においてはこのような二重基準が許されるのでしょうか。この機会を捉えて、食糧援助と国家プログラムの栄養基準を高め、動物性食品を取り入れるよう働きかけなければ悲惨なことになります。」
子どもの死亡と病気に最も大きく影響する疾患は栄養失調をおいて他になく、また、栄養失調は途上国では毎年5才未満の子ども350万人以上が死亡する根本的要因となっている。しかし、子どもが栄養失調の最終段階に陥るのを防ぐプログラムは、過去30年にわたってほぼ変更されていない。
フォン・シェーン・アンゲラー医師はこう続ける。「MSFは栄養失調の子どもに、少なくとも多少の動物性成分が含まれる食品を与えて治療することを方針としており、現在はさらに包括的な治療の実施に向けて取り組んでいます。WHOの専門家から発表される明確な勧告が、栄養失調による不必要な死亡を劇的に減少させる変化へとつながることを願っています。」
国連は、重度急性栄養失調の治療に対してはすでに明確な勧告を発表しているが、治療の必要な子どものうち、実際に治療を受けているのはわずか5%に過ぎない。
MSFは、子どもが重症に陥る前に栄養価の高い食品を与えることが課題だと考える。
「中度栄養失調の食事管理」に関するWHO専門家会議は、9月30日から10月3日までスイスのジュネーブで開催される。
MSFは栄養治療食品と栄養補助食品を用い、2006年と2007年に22ヵ国で15万人を超える栄養失調児の治療を実施した。
(c)国境なき医師団日本
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