【9月29日 AFP】米国からイランに帰国する際、空港に向かう車内でバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領と歴史的な電話会談を行ったイランのハサン・ロウハニ(Hassan Rowhani)大統領が28日、テヘラン(Tehran)の空港に到着した。同大統領支持派と対米強硬派の双方が出迎える中、ロウハニ大統領に靴が投げつけられる場面もあった。

 イラン各紙は、米国とイランの首脳の間で30年以上も行われていなかった直接接触が果たされたことを、長きにわたったタブーの終わりとして歓迎した。改革派の新聞「エテマド(Etemad)」は、「歴史的接触は家路についている」との見出しとともにロウハニ大統領とオバマ大統領が並んだ合成写真を1面に掲載した。

 しかし強硬派の間では、長期間にわたって「大悪魔」と呼んできた米国の大統領とロウハニ大統領が15分間の電話会談を行ったことはやりすぎだという見方が出ている。

 テヘランのメフラバード(Mehrabad)国際空港前には約60人の強硬派が集まり、ロウハニ大統領の車列が通り過ぎる際に「米国に死を」、「イスラエルに死を」と叫んだ。一方、大統領支持派は強硬派を上回る200~300人が集まり、「ロウハニさん、ありがとう」などと声を上げた。強硬派と大統領支持派の間には警官隊が立って、双方を分離した。

 出迎えに応えようと車のサンルーフを開けて立っていたロウハニ大統領に靴が投げつけられる場面もあったが、大統領には当たらなかった。(c)AFP/Mohammad DAVARI