【9月5日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領が、訪問予定のロシアで6日、同国の同性愛者の権利保護団体の代表らと面会することが分かった。招待を受けた2団体が4日、明らかにした。

 性的少数者の権利保護を訴える露団体「LGBTネットワーク(LGBT Network)」の代表で、会合への招待を受けたイゴール・コチェトコフ(Igor Kochetkov)氏によると、5日にサンクトペテルブルク(Saint Petersburg)で開幕する主要20か国・地域(G20)首脳会議に出席するオバマ氏は、6日夜に活動家らとの会合を開き、「性的指向に基づいた人権侵害」について話す予定だ。

 サンクトペテルブルクを拠点とする同性愛者の権利保護団体「カミングアウト(Coming Out)」のアンナ・アニシモワ(Anna Anisimova)代表はAFPに対し、同団体もまた招待を受けており、メンバーが出席する予定だと述べた。

 一方の米ホワイトハウス(White House)高官も4日、オバマ大統領が「ロシアの市民団体の代表らと会い、人権や寛容な精神を促進するうえで市民社会が果たす重要な役割について協議する」と発表。会合には性的少数者の権利団体のほか、人権団体や報道の自由を訴える団体、環境団体の代表らが出席すると明かした。

 オバマ大統領は、ロシアに先立ち訪れたスウェーデン首都ストックホルム(Stockholm)で、同性愛者の平等な権利に対する支持を表明。直接の言及はなかったものの、未成年に対する「同性愛のプロパガンダ(宣伝)」行為を禁止する法律が最近成立したロシアを念頭に置いた発言として、広く受け止められている。

 この法律をめぐっては、反同性愛的であるとの非難が高まっており、来年2月にロシアで開幕するソチ冬季五輪のボイコットを呼び掛ける声も上がっている。(c)AFP/Maria ANTONOVA