【9月4日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は3日、スウェーデンに向けてワシントンD.C.(Washington D.C.)を出発した。ロシアで開催される主要20か国・地域(G20)首脳会議出席を前に欧州諸国から国連決議なしでのシリア軍事介入への支持を得たい狙いがある。G20首脳会議では、シリアへの軍事介入に否定的なロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領との対峙(たいじ)が待ち受ける。

 オバマ大統領の出発直前、共和党のジョン・ベイナー(John Boehner)下院議長やエリック・カンター(Eric Cantor)下院共和党院内総務が、化学兵器使用が疑われるバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権に対する軍事介入についてオバマ大統領支持を表明している。

 オバマ大統領は、スウェーデンの首都ストックホルム(Stockholm)に現地時間の4日早朝に到着し、フレデリック・ラインフェルト(Fredrik Reinfeldt)首相と首脳会談を行う予定。ノーベル平和賞受賞者でもあるオバマ大統領は、シリア軍事介入への支持取り付けという目的を持ってノーベル財団(Nobel Foundation)がある同市を訪問することで微妙な立場に立たされるだろう。シリアに介入について説明を求められるのは必至だ。

 オバマ大統領は2009年にノルウェーのオスロ(Oslo)で行われたノーベル平和賞の授賞式での演説の一部を再び持ち出すかもしれない。この時オバマ大統領は、米大統領が戦争という手段を選ぶのは自国民の保護、人道的な理由、大量破壊兵器の拡散阻止などのためだ、という姿勢を示した。

 G20首脳会議の期間中、オバマ大統領とプーチン大統領との1対1の会談は予定されていないが、定例の集合写真撮影などで米露大統領が顔を合わせる機会はある。(c)AFP/Stephen COLLINSON