【8月27日 AFP】フィリピンの首都マニラ(Manila)で26日、ソーシャルメディアの力を借りた現代版の「ピープル・パワー」集会が開かれ、参加者らは政治家の汚職に対する怒りの声を上げた。

 首都以外にも各地で同様のデモが行われ、汚職撲滅を公約に掲げた現職のベニグノ・アキノ(Benigno Aquino)大統領が2010年に選出されて以来、同国最大規模の反汚職デモとなった。デモの主催者側は参加者は約40万人と伝えているが、警察の推計はおよそ10万人。

 今回のデモのきっかけとなったのは、国会議員らが関与したとされる優先開発支援資金(Priority Development Assistance FundPDAF)にかかわる大がかりな詐欺事件。女性実業家が複数の議員と共謀してPDAFから100億ペソ(約221億円)を流用していたとされ、さらにこの実業家は不正を密告した人物を不法に監禁した罪で告発された後、行方をくらましている。

 事件に関する一連の報道を受け、インターネット交流サイト(SNS)のフェイスブック(Facebook)やマイクロブログのツイッター(Twitter)で2週間ほど前から、デモへの参加が呼び掛けられていた。

 PDAFは国会議員に割り当てられ、各議員の選挙区における小規模なインフラ整備などの事業を優先的に支援することを目的に使われる。しかし、こうした助成金は特定の議員やその選挙区だけに利益がある「ポークバレル」であり汚職の温床になっているとして、以前から批判が集まっている。(c)AFP/Mynardo MACARAIG