【8月26日 AFP】英紙ガーディアン(Guardian)は23日、米当局から訴追されロシアに一時亡命している米中央情報局(CIA)元職員エドワード・スノーデン(Edward Snowden)容疑者から入手した資料の報道について、今後は米紙ニューヨークタイムズ(New York Times)と協力していくと発表した。高まる英政府からの圧力が理由だという。

 ガーディアンをめぐっては、スノーデン容疑者からもたらされた米当局の極秘情報収集プログラムに関する暴露記事を書いた同紙記者、グレン・グリーンウォルド(Glenn Greenwald)氏の交際相手デービッド・ミランダ(David Miranda)氏が反テロ法に基づき一時的に身柄を拘束されたほか、ガーディアン紙自身も7月、英政府からスノーデン容疑者から得た情報を収録したハードドライブやメモリーチップの破壊を強要された。

 ガーディアンがウェブサイトで発表したニューヨークタイムズとの提携内容は、CIA元職員のスノーデン容疑者から入手した「機密資料」の一部に同米紙がアクセスできるというものだ。

 ガーディアンは「英政府から強い圧力がかけられている状況のなかで、エドワード・スノーデンから提供された英政府通信本部(GCHQ)の書類について、米国のパートナーにも加わってもらうことを決めた」と説明し、スノーデン容疑者とその情報に関する報道で「ニューヨークタイムズなどと連携し続けていく」と決意を示した。

 共に左派リベラルの両紙は、2010年にも米メディア王ルパート・マードック(Rupert Murdoch)氏率いるニューズ・コーポレーション(News Corporation)傘下で11年に廃刊となった英大衆紙ニューズ・オブ・ザ・ワールド(News of the World)の盗聴問題に関する報道で協力したことがある。

 ガーディアンによれば、米国では「言論の自由」を保障した憲法修正第1条によってジャーナリストは保護され、国による出版前の差し止めや事前の抑制も事実上、阻止されている。

 一方、英政府は、デービッド・キャメロン(David Cameron)首相の政権で政策顧問を務めるジェレミー・ヘイウッド(Jeremy Heywood)氏がガーディアンに派遣され、問題の書類を破棄もしくは返却しなければ法的措置を講じると述べたことを認めている。(c)AFP