【8月21日 AFP】米中央情報局(CIA)元職員エドワード・スノーデン(Edward Snowden)容疑者からの情報提供に基づき米当局の極秘情報収集プログラムの暴露記事を執筆した米国人記者のパートナー、デービッド・ミランダ(David Miranda)氏(28)は20日、対テロ法にのっとり英当局に身柄を拘束されたことに対する法的措置に踏み切った。

 ブラジル国籍のミランダ氏は、英紙ガーディアン(Guardian)のコラムニストで交際相手のグレン・グリーンウォルド(Glenn Greenwald)氏の暴露記事執筆に協力してきた。ミランダ氏は18日、英ロンドン(London)のヒースロー空港(Heathrow Airport)で約9時間にわたって身柄を拘束され、聴取を受けた。ガーディアン紙によると、英警察はその際、携帯電話、ノートパソコン、カメラ、メモリースティック、DVD、ゲーム機器を押収したという。

 同紙のアラン・ラスブリッジャー(Alan Rusbridger)編集長は英国放送協会(BBC)に対し、「ミランダ氏は押収された所持品と自らが受けた処遇をめぐって民事訴訟を起こしている」と明かした。同氏は所持品の返却と、そのコピー作成の阻止を求めているという。

 同氏の代理を務める法律事務所「バインドマンズ(Bindmans)」は、対テロ法に準拠するミランダ氏の身柄拘束の合法性を法廷で争っていく構えであると述べた。

■英政府の関与は?

 この件に関連し、米ホワイトハウス(White House)がミランダ氏の身柄拘束の直前に「事前通達」を受けていたことを明らかにしたことから、英政府の関与も問題視されている。

 テリーザ・メイ(Theresa May)内相は、ミランダ氏の身柄拘束に先立って連絡を受けていたことを明らかにしたが、空港で警察が身柄拘束する人物を指示するのは自らの責務ではないと述べた。一方デービッド・キャメロン(David Cameron)首相官邸も、この件に対する政治的関与を否定している。(c)AFP