【8月14日 AFP】(一部更新)エジプトで軍に解任されたムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)前大統領の復帰を求め、支持派が大挙して座り込みを続ける首都カイロ(Cairo)市内の拠点2か所で14日、治安部隊が強制排除に乗り出し、現地のAFP特派員によると、少なくとも124人が死亡した。

 モルシ支持派が座り込みを行ってきたカイロ市内のラバ・アルアダウィヤ(Rabaa al-Adawiya)に設置された遺体安置所3か所では124人の遺体が確認された。遺体を数えたAFP特派員によると、多くの犠牲者は銃弾によって負傷し死亡したとみられる。

 モルシ氏の出身母体、イスラム組織ムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)は、警察による強制排除で少なくとも250人が死亡し、5000人以上が負傷したと発表しているが、現在のところ、正確な死傷者の数は分かっていない。エジプト内務省は同日、この衝突で治安部隊の隊員2人が作戦中に死亡したと発表している。

 同胞団はエジプト国民に対し、大規模なデモを行い「虐殺」を非難するよう呼び掛けている。モルシ支持派は、ラバ・アルアダウィヤ意外にカイロ市内のナハダ(Nahda)でも座り込みを行ってきた。

 ラバ・アルアダウィヤでは同日早朝、治安部隊が拠点を囲み、催涙ガス弾の発射とともに、抗議の中止を命じる最後通告を拒否したモルシ支持派数千人の排除を開始した。支持派が設営したテントの屋根に催涙ガス弾が降り注ぐ中、一角では自動小銃の音が聞こえたという。目撃者は激しい銃声を聞いたが、誰が撃っていたのかは分からないと語った。

 治安部隊の1人はAFPに対し、「抗議を解散させるための作戦の開始だ。ナハダでも同様の措置がとられているはずだ」と語った。

 テレビでは仮設病院に運び込まれる人々や、抵抗する抗議の参加者を引きずる警官の姿が映し出された。(c)AFP