【7月14日 AFP】米当局の市民監視プログラムを暴露して米政府から訴追された米中央情報局(CIA)元職員、エドワード・スノーデン(Edward Snowden)容疑者(30)がロシアへの一時的な亡命を申請する考えを明らかにしたことを受けて、ロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相は13日、ロシア政府がスノーデン元職員と接触していないことを強調した上で、亡命を希望するならロシアの法律で定められた手続きに従って連邦移民局(Federal Migration ServiceFMS)に申請することが先だとの見解を示した。ロシアの各メディアが報じた。

 その前日の12日、スノーデン元職員は香港(Hong Kong)からロシアに移動して以後、米政府が旅券を失効させたことから約3週間足止めされているシェレメチェボ(Sheremetyevo)空港の乗り継ぎロビーで活動家らと協議し、ロシア政府に一時的な亡命を申請する考えを明らかにしていた。

 しかし、スノーデン元職員が早急に亡命申請を行うと話してから1日経過したにもかかわらず、ロシアの複数の当局者はそれに関してなんらかの接触があったかどうか把握していないと語っている。ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と近い人物の中には、早々に亡命の受け入れ支持を表明した人もいるが、一方でロシア政府はすでに緊張状態にある米国との関係を過度に悪化させないよう慎重な態度を取っているとみられる。

 米国は当初、ロシア政府に対し、スノーデン元職員に法の裁きを受けさせるため身柄を米政府に引き渡すよう求めたが、プーチン大統領はこれを拒否していた。スノーデン元職員と活動家らの協議を受けて、米政府はロシアに対し、スノーデン容疑者に「宣伝活動の場」を与えないよう警告すると共に、活動家らとの協議を許可したことに抗議した。(c)AFP/Stuart WILLIAMS