【7月10日 AFP】日本の複数の省庁が、米グーグル(Google)のオンラインディスカッションサービス「グーグルグループ(Google Groups)」のプライバシー設定を誤り、国際条約の交渉内容を含む内部メモを一般に公開していたことが10日、当局の発表で明らかになった。

 グーグルグループは、共通の話題についてディスカッションするためのサービスで、電子メールまたはウェブサイトを通じてアクセスする。グループを作ったユーザーは、ディスカッションの閲覧やメッセージの投稿が可能なユーザーの範囲を設定することができるが、デフォルト(最初の設定)では誰もがトピックを閲覧できる状態になっている。

 環境省は、情報共有のために省庁職員が同サービスを使っていたことを認め、水銀の輸出入などを規制する国際条約での交渉の論点などが公開されていたと述べた。また、日本の交渉担当者らは交渉相手国であるスイスとノルウェーと意見交換した際の会談のメモもアップロードしていたという。同条約は今秋に採択が予定されている。

 環境省高官はAFPの取材に、進行中の交渉過程を外部に公開したことは問題だったと述べ、適切に対応したと述べた。公開されていたメモは「極秘」扱いではないが、一般に公開される予定ではなかったという。

 NHKによると、少なくとも6省庁で、グーグルグループの設定が誤っており、外部から内部情報を見ることができたという。

 また、読売新聞(Yomiuri Shimbun)は、省庁や民間の団体で情報を一般に公開していた事例を6000件以上発見したと報じた。通院者の病状や学校の生徒の個人情報などが公開されていたという。(c)AFP