【6月24日 AFP】ブラジルでは23日も引き続き、公共サービスの向上と制度改革を求めるデモが全国規模で行われた。

 ブラジル国民の多くは、何年にもわたって公共インフラ整備に十分な予算が割かれない一方で、来年に開催されるサッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)には巨額の資金が投入されていることに不満を抱いている。1950年以来のW杯地元開催そのものには賛成しているものの、そのために生活水準を犠牲にすることは望んでいない。

 ブラジルの調査会社IBOPEが22日に発表した世論調査では、国民の約4分の3がデモを支持すると答え、その理由として77%が公共交通の運賃が高すぎることを挙げた。一方、およそ150億ドル(約1.5兆円)ともいわれる巨額の予算がかかるとしても、W杯の地元開催を支持すると答えた人も国民の約3分の2に上った。

 リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)のコパカバーナ(Copacabana)海岸で行われたデモに参加した教員の男性(31)は、ブラジルのデモについて「エジプトやリビア、チュニジアとは違う。われわれは敵対しているわけじゃない。ただ、我慢ももう限界だというだけだ」とAFPの取材にコメント。世界各地で若者たちのデモの象徴となったガイ・フォークス(Guy Fawkes)のマスクを掲げてみせた。

 ジルマ・ルセフ(Dilma Rousseff)大統領は21日、公共サービスの向上と汚職防止の徹底に取り組むと宣言したが、デモの参加者たちは納得していない。(c)AFP/Chris Wright