【6月20日 AFP】ブラジル北東部セアラ(Ceara)州フォルタレーザ(Fortaleza)で19日、2014年に開催予定のW杯ブラジル大会(2014 World Cup)への大規模な資金投入に抗議するデモ隊と警官隊が衝突し、少なくとも2人が負傷した。

 衝突が起きたのは、現在開催中のコンフェデレーションズカップ(Confederations Cup)の会場の1つとなっているカステラン・スタジアム(Castelao stadium)の近く。ブラジル対メキシコ戦のキックオフのわずか数時間前のことだった。

 AFP記者が目撃したところでは、約1万人の抗議参加者の一部が機動隊に対して投石し、機動隊は催涙ガスとゴム弾で応酬した。1人が目に負傷し、もう1人が担架で運ばれた。

 サンパウロ(Sao Paulo)のバス料金値上げで最初の火が付いた抗議は、たちまちのうちに全国的な反汚職デモに拡大した。貧富の二極化が激しいブラジルで、サッカー競技場に数十億ドルもの大金が注ぎこまれる一方、福祉事業にはあまりにも小額の予算しか充てられていないことに対する怒りが、デモ拡大につながった。

 今月開幕したコンフェデレーションズカップと2014年W杯に使われる計150億ドル(約1兆4000億円)の費用に抗議して街頭に出たデモ参加者は、全国で数十万人に上っている。

 こうした事態を収拾すべく、法務省はコンフェデレーションズカップの開催地となっているリオデジャネイロ(Rio de Janeiro)、バイア(Bahia)、ミナスジェライス(Minas Gerais)、セアラの4州とブラジリア(Brasilia)連邦地区の計5か所に、治安特殊部隊を配備したと発表。治安特殊部隊は各州の警察や消防から集められた精鋭の部隊で、同省は「鎮圧のためではなく、融和や仲裁のための」部隊だと説明している。(c)AFP/Javier Tovar