【6月19日 AFP】米国家安全保障局(National Security AgencyNSA)のキース・アレグザンダー(Keith Alexander)局長は18日、米下院情報特別委員会(House Permanent Select Committee on Intelligence)の公聴会に出席し、NSAが実施した電子メールや通話の情報収集プログラムの結果、2001年以降少なくとも50件の「テロ計画」が未然に防がれたと証言した。

 キース局長は「この数年、これらのプログラムから収集した情報は当局に非常に重要な手掛かりを提供してきた。これらのおかげで、世界20以上の国で進められていた50件以上のテロ計画を未然に防ぐことができた」と述べるとともに、これらのうち少なくとも10件は米本土で計画されていたことを明らかにした。

 キース局長によると、収集した情報の大半は機密扱いとされており、公開されることはない。しかし、エドワード・スノーデン(Edward Snowden)氏の内部告発を受けて政府に向けられた批判に対応するため、キース局長らは阻止に成功した計画のうち4件の情報を公開した。

 情報が公開されたのは「国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の中核によるものとしては9.11同時多発テロ後最初のもので、パキスタン国内から指揮された」(キース局長)ニューヨーク(New York)の地下鉄爆破計画や、ニューヨーク証券取引所(New York Stock ExchangeNYSE)の爆破計画など。

 NYSE爆破計画について米連邦捜査局(Federal Bureau of InvestigationFBI)のショーン・ジョイス(Sean Joyce)副長官は、複数のテロ容疑者がカンザスシティ(Kansas City)にかけた国際電話を追跡したNSAから情報提供を受けたFBIは、電子機器を使ってハリド・ウアザニ(Khalid Ouazzani)容疑者を監視する裁判所命令を得ることができたと証言した。

 FBIはこの監視を通じて、ウアザニ容疑者が複数の共謀者とNYSE爆破計画を立案中だと断定したという。ジョイス副長官は、「ウアザニ容疑者は情報を提供し、この計画を支援していた。FBIはこれを阻止し、容疑者たちを逮捕した」と述べた。

 ウアザニ容疑者は起訴され、アルカイダへの物質的な支援を行うことによりテロ計画を共謀したとして2010年10月に有罪を認めた。しかし有罪答弁の際にFBIが発表した声明は、NYSE爆破計画に言及していなかった。(c)AFP/Michael Mathes