【6月16日 AFP】エジプトのムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)大統領は15日、首都カイロ(Cairo)の競技場で行われた「シリアを支援する集会」に集まった支持者らを前に、内戦で国が分裂しているシリアとの関係を「決定的に」断ち切ると宣言し、カイロにあるシリア大使館を閉鎖し、シリアの首都ダマスカス(Damascus)からエジプトの大使らを引き上げさせると語った。

 モルシ大統領はシリア上空に「飛行禁止区域」に設定するよう国際社会に呼びかけるとともに、シリア国民支援のための緊急支援集会の開催に向けて他のアラブ諸国やイスラム諸国の政府と接触を図ったと明らかにした。

 シリアの内戦は宗派間対立の様相を強めており、13日にはエジプトを含む数か国のイスラム教スンニ派(Sunni)の聖職者らが、シリアの現政権に対するジハード(聖戦)を呼びかけた。

 エジプトでは、シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領を辞任に追い込むために戦っている反体制組織の大多数と同じイスラム教スンニ派(Sunni)が国民の大半を占めている一方、アサド大統領はイスラム教シーア派(Shiite)から派生した宗派であるアラウィ派(Alawite)に属する。エジプト政府は以前からアサド大統領の退陣を要求している。(c)AFP