【5月29日 AFP】欧州連合(EU)がシリアの反体制派の支援を目的として、同国に対する武器禁輸措置の解除を決めたことについて、シリア反体制派は28日、慎重に対応する必要があるとの見方を示した。

 シリア反体制派の統一組織「シリア国民連合(Syrian National Coalition)」のスポークスマン、ルーアイ・サフィ(Louay Safi)氏は、「前向きな一歩であることは間違いない。だがトゥーリトル・トゥーレイト(少なすぎ、遅すぎる)になるのを懸念している」と、反体制派の会合が行われていたトルコのイスタンブール(Istanbul)でAFPに語った。「われわれはシリアの人々を守らなくてはならない、武器はそのための一つの要因になるだろうが、EUにはより真剣な対応と断固たる決断を望む」

 EUは27日に内戦が続くシリアへの武器禁輸制裁を解除することで合意したが、米露が来月の早い時期の開催を目指しているスイス・ジュネーブ(Geneva)での和平会議が実現しないことを恐れ、EU各国は当面、反体制派への武器供与は行わない方針だ。

 フランスの政府高官は武器禁輸解除について、「あくまでも理論上の解除であり、実際には8月に入るまで武器供与の決定は行われないだろう」と強調した。(c)AFP