【5月9日 AFP】訪米中の韓国の朴槿恵(パク・クネ、Park Geun-Hye)大統領は8日、議会上下両院合同会議で演説し、韓国と北朝鮮の間で周期的に緊張が高まる状況に終止符を打ちアジア地域に平和を築く一環として、北朝鮮との境界に国際公園を建設することを提案した。

 朴大統領は朝鮮半島を南北に分断する非武装地帯(Demilitarized ZoneDMZ)は実際には「地球上で最も軍事化されている場所」で、世界にも危険を及ぼしていると指摘した。

「非武装地帯は、その名にふわさしいものである必要があります。平和を損なうのではなく、強化するものでなくてはなりません」と朴大統領。「この考えから非武装地帯に国際公園を建設するために尽力したい。全人類に平和のメッセージを送る公園です」

 この提案の詳細は不明だが、朴大統領が前日7日のバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領との会談で、数か月にわたって緊張が高まっていた対北朝鮮関係で韓国は強硬路線を取ると述べたときとの強硬な姿勢とは様相を異にしている。

 朴大統領はまた、北東アジアの大国である日中間の摩擦が高まる中、同地域における広範な協力を呼びかけ、環境問題や災害救助などで各国の協力の強化を求め、そのような協力には米国も参加すべきであり、北朝鮮もいずれ参加できるだろうと語った。(c)AFP/Shaun Tandon