【5月8日 AFP】米国のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領と韓国の朴槿恵(パク・クネ、Park Geun-Hye)大統領は7日、米ワシントンD.C.(Washington D.C.)で会談し、数か月にわたり緊張が続く朝鮮半島情勢について、現在の危機的状況に幕を引く責務は北朝鮮にあるとして、同国に対し一切の譲歩を行わないことを確認した。

 オバマ氏と朴氏は、米韓の防衛協力強化を約束すると同時に、北朝鮮に対し、新たな対話の前に核開発計画の方針を変更するよう要求。両国の結束を演出した。

 北朝鮮軍は会談の数時間前、韓軍事演習中に万一北朝鮮内に砲弾が落ちるようなことがあれば境界付近の島々を「火の海」にする、という新たな挑発を行っていた。北朝鮮は今年初めに3回目の核実験を行い、米国に対する核戦争の準備を誓うなど、同国の基準からみても大胆な発言を繰り返して緊張が高まってきたが、最近になって鎮静化の動きがみられている。

 会談の中心的議題は北朝鮮問題だったが、朴大統領は当初、李明博(イ・ミョンバク、Lee Myung-Bak)前大統領とオバマ大統領が持っていたような私的な友好関係を少しでも築いておくことを、今回の訪米の目的の1つとしていた。

 李前大統領とオバマ大統領は、韓国がその国家規模と不釣り合いな国際的役割を担うことを意欲的に模索する中、友好関係を深めた。韓国ではサミットが2度開かれ、また同国の歌手PSY(サイ)が世界を席巻したことで、文化輸出の好機にも恵まれた。

 オバマ大統領は、今や世界中に広まった「江南スタイル(Gangnam Style)」のダンスを娘たちから教わったと冗談交じりに話し、PSYの人気について巧みに言及した。

 朴大統領は8日、議会両院の合同会合で演説を行う他、米韓自由貿易協定の発効1周年を記念し、韓国産業界の各首脳と共に米国商工会議所を訪れる予定。(c)AFP/Shaun Tandon and Stephen Collinson