【5月3日 AFP】馬好きで有名な中央アジア・トルクメニスタンのグルバングルイ・ベルドイムハメドフ(Gurbanguly Berdymukhamedov)大統領が4月28日、自身が騎乗して出走していたレース中に落馬し救急車で搬送された。だが閉鎖的な国家体制を敷くトルクメニスタンの政府は、大統領落馬の件について沈黙を貫いている。
 
 このレースは、ベルドイムハメドフ大統領が首都アシガバート(Ashgabat)で開催した、トルクメニスタン原産の馬「アハルテケ(Akhal-Teke)」を称えるイベントの一環で行われたもので、大統領自身も愛馬に騎乗してレースに出場していた。

 ベルドイムハメドフ大統領が落馬する一部始終を捉えた動画サイトのユーチューブ(YouTube)映像には、伝統衣装姿で1キロレースに出場した大統領が、トップでゴールした直後に馬から落ち地面に投げ出される様子が映っている。

 大統領は全く身動きせず、地面に横たわったままだ。間もなく救急車で搬送されたが、その間、大勢の黒いスーツ姿の護衛らが大統領を取り囲んでいるため大統領の様子は見えない。

 その後、映像は唐突にベルドイムハメドフ大統領らしき人物が、拍手する観衆に手を振る場面に切り替わる。

 この日の出来事について、国営紙ニュートラル・トルクメニスタン(Neutral Turkmenistan)はベルドイムハメドフ大統領の大きな写真6枚とともに大統領のレース優勝を4ページを費やして伝えているが、落馬については同紙だけでなくトルクメニスタンの国内メディアは一切触れていない。

 レースの様子はテレビで放映されたが、大統領のゴールの瞬間で映像は切れている。

 ベルドイムハメドフ大統領の落馬の様子は、 http://bit.ly/10wd7Wf で見ることができる。

 トルクメニスタン政府は大統領落馬を捉えた動画や写真の国外流出を阻止しようとしており、空港では出国者が写真やカメラやタブレット端末、携帯電話をチェックされているという。(c)AFP/Stuart WILLIAMS