【4月30日 AFP】アフリカ南部ボツワナのイアン・カーマ(Ian Khama)大統領(60)が先週、チーターに顔を引っかかれ、2針縫うけがをしていたことが分かった。大統領報道官が29日、明らかにした。

 ジェフ・ラムゼー(Jeff Ramsay)報道官によると、密猟対策を担当する兵士に保護対象の野生動物について学ばせるための軍の野生動物施設をカーマ大統領が訪れた際、囲いの中で餌を与えられていたチーターが興奮して、そばに立っていたカーマ大統領の顔を爪で引っかいたという。

 大統領は病院に搬送され手当てを受けたが、入院はしていない。ラムゼー報道官の説明では、大統領はチーターに「引っかかれはしたが、言葉本来の意味で『襲われた』というほどではなかった」と語った。

 カーマ大統領は前週、顔にばんそうこうを貼っていたが、大統領の身辺の安全に関わるものではなく、ごく軽いけがだったため政府も当初は特に発表する必要はないと判断していたという。

 ある動物保護団体が2007年に発表した調査結果によると、多くの野生動物が生息する野生公園で名高いボツワナには、約1700頭のチーターが生息している。

 軍出身で5年前から大統領職にあるカーマ大統領は野外活動好きとして知られる一方、動物保護団体の支援にも熱心だ。カーマ大統領が軍トップだった1989年に創設されたボツワナ軍の野生動物施設には、チーターのほかにも、ライオンやワニ、ヘビ、ハイエナ、ヒョウ、シマウマなどが飼育されている。(c)AFP