【4月20日 AFP】 セルビア共和国とその自治州だったコソボ共和国は19日、関係正常化に向けた歴史的な合意書に署名した。西バルカン諸国の将来にとって重要な動きであり、両国は欧州連合(EU)加盟に向けて一歩前進した。

 セルビアのイビツァ・ダチッチ(Ivica Dacic)首相とコソボのハシム・サチ(Hashim Thaci)首相は、両国間で続く緊張緩和のための2年間におよぶ厳しい交渉の末、15項目からなる合意書に署名。EU の指導者たちはこれを画期的な出来事として歓迎している。

 コソボ紛争の終結から14年、さらにセルビアからのコソボの一方的な独立宣言から5年が経った今、この合意がなされたことで、欧州最後のバルカン紛争地点での新たな歴史の幕開けが期待されている。

 コソボのサチ首相は「この合意は過去の傷を癒すだろう。和解と国家間協力の時代の始まりを象徴する合意だ」と語った。セルビアのダチッチ首相は「セルビアの提案が受け入れられた。私が署名したのは、今後数日間に双方がこれを受け入れるか拒否するかを決める提案文だ」と述べた。

 22日に会合予定のEU閣僚は、両国の交渉結果を受け、セルビアのEU加盟への扉を開くか否かを決定する予定。セルビア側は、6月のEUサミットでEU加盟交渉の開始日が決まることを期待している。22日までに両国の合意がない場合、セルビアのEU加盟は無期限延期となる。(c)AFP/Claire ROSEMBERG