【3月8日 AFP】ベネズエラの故ウゴ・チャベス(Hugo Chavez)大統領が後継者に指名していたニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)副大統領は7日、チャベス氏の遺体を永久保存する方針を明らかにした。

 暫定的に大統領の職務を引き継いでいるマドゥロ副大統領は、チャベス大統領の遺体を「(ベトナムの)ホー・チ・ミン(Ho Chi Minh)や(旧ソ連の)レーニン(Vladmir Lenin)、(中国の)毛沢東(Mao Zedong)と同じように」永久保存してガラスのひつぎに納め、国民が「永遠に」大統領に会うことができるようにすると述べた。

 現在チャベス氏の遺体が安置されているカラカスの士官学校には7日も数多くの市民が訪れた。マドゥロ副大統領によるとチャベス氏の遺体は8日に行われる国葬の後に首都カラカス(Caracas)の「山の兵舎」に運ばれ、7日間にわたって一般に公開されるという。

 チャベス氏は1992年2月4日、この兵舎で陣頭指揮を執ってカルロス・ペレス(Carlos Andres Perez)大統領(当時)に対するクーデター未遂事件を起こした。この兵舎は現在、革命博物館への改装が進められている。

 軍の空挺部隊に所属していたチャベス大統領が目指した社会主義革命は貧困層を歓喜させた一方、富裕層を激怒させた。クーデター未遂事件で逮捕されたチャベス氏は国民から英雄視されるようになり、1998年大統領選での大勝につながった。

 国民の間ではチャベス氏の遺体をラテンアメリカの独立の指導者シモン・ボリバル(Simon Bolivar)と共に国立霊廟に安置すべきだという声も強い。マドゥロ副大統領は将来的にチャベス氏の遺体を別の場所に移すことも示唆し、国民の要望を受け入れる姿勢を示した。(c)AFP/Laurent Thomet