【2月26日 AFP】イタリアの総選挙はほぼ全ての開票作業が終了し、下院ではピエルルイジ・ベルサニ(Pier Luigi Bersani)氏が率いる民主党(PD)などの中道左派連合が過半数の議席を獲得することになった。26日、内務省が発表した。

 開票率99.9%の時点で、下院の得票率は中道左派連合が29.55%となり、29.18%だったシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)前首相が党首を務める自由国民(PDL)などの中道右派連合をわずかに上回った。規定により、最も多くの票を得た中道左派連合が下院で過半数の議席を取ることになった。

 反緊縮財政を掲げた元コメディアンのベッペ・グリッロ(Beppe Grillo)氏が率いる新興勢力「5つ星運動(M5S)」は、下院の政党単独の得票率で民主党の25.41%を上回る25.55%となり、イタリア第3の政治勢力に躍り出るという衝撃的な結果になった。専門家らは、緊縮財政に疲れた欧州の他の国にも影響を与えると予測している。

 一方、上院で過半数を取った勢力はなかった。イタリアでは新政権の発足に上下両院の信任が必要となるため、現状では政権樹立の見通しが立たない情勢になっており、民主党幹部からは数か月以内の再選挙の実施や、何らかの形で5つ星運動と連携するといった話も出ている。(c)AFP