【2月25日 AFP】韓国の朴槿恵(パク・クンヘ、Park Geun-Hye)氏(61)が25日、同国初の女性大統領に就任した。経済規模ではアジア第4位にまで成長した韓国を新たに率いる朴大統領だが、核実験を強行した北朝鮮問題、低迷する国内経済の活性化、加速する高齢化で膨らむ社会保障費と難題が山積みだ。

 同日、ソウル(Seoul)の国会議事堂前で行われた大統領就任式で、朴大統領は7万人の市民を前に「韓国国民の生活やわが国の安全を脅かすいかなる行為も容認しない」と強い口調で北朝鮮に核の放棄を求める一方で、選挙公約として掲げていた北朝鮮との対話にも取り組むとしながら、国際社会への復帰を促した。

 だが朴大統領の就任演説は経済問題が大部分を占めた。所得格差の拡がりが懸念されるなか、雇用を創出し、社会福祉を充実させ、さらには「経済の民主化」を推進すると約束した。

 朝鮮戦争(1950~53年)で疲弊した韓国は、朴大統領の父親にあたる故朴正熙(パク・チョンヒ、Park Chung-Hee)大統領の下で「漢江(ハンガン)の奇跡」と呼ばれる急激な経済成長を遂げた。ただこれまで主力となっていた輸出主導型の経済は近年の世界的な不況の影響で行き詰まっているため、朴大統領は科学技術やIT産業を柱とする新たな「創造の経済」へとシフトし、「第2の奇跡」を達成すると約束した。

 これまでサムスン(Samsung)や現代(Hyundai)などの「チェボル(財閥)」が支配してきた韓国経済だが、朴大統領は、中小企業も繁栄できるよう、平等で公平な市場にすることを約束した。(c)AFP/Giles Hewitt