【2月13日 AFP】フランスの国民議会(下院)は12日、同性婚および同性カップルによる養子縁組を認める法案の採決を行い、賛成329、反対229の賛成多数で可決した。

 新法として成立するには4月2日に同法案の審議が始まる予定の上院でも最終的な承認を受ける必要がある。議席の大半を社会党が占めていることや、ヨーロッパエコロジー・緑の党(EELV)やフランス共産党(PCF)、一部の中道議員もこの法案を支持しているため、今年半ばには新法として制定される見込みだ。

 下院採決の10日前にあたる今月2日には、婚姻を「男女間」に限らず「2人の間」で結ぶ契約と定めた同法案の第1条が圧倒的多数で可決されていた。

■国内で大きな反対運動

 社会党のフランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領が昨年の選挙で主要な公約として掲げていた同法案をめぐっては、国内で大きな反対運動が起きている。これまでの世論調査では、フランス国民の過半数が同性婚の合法化に賛成しているという結果が常に出ていただけに、オランド大統領にとってこれほどの反対運動は予想外だっただろう。

 カトリック教会の主導で始まった反対運動は、後に中道右派の主流野党勢力も支援するようになり、昨年秋を通じてその規模を拡大。首都パリ(Paris)では先月、数十万人規模の抗議デモが行われた。

 現在フランスでは、同性愛者の男性や女性が個人として申請して社会福祉機関の承認を得れば養子縁組も可能になっている。不妊に悩む男女には既に認められている医療機関の助けを借りた妊娠を同性カップルにも認める別の法案の審議も年内に開始される予定だ。(c)AFP/Rory Mulholland