【1月29日 AFP】タイ政府は28日、ミャンマーを逃れ不法にタイ国内に流入するイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)の人々に対し、さらに厳格な措置をとると表明した。タイ国家安全保障会議(National Security Council)によると、今後は一切、海上からのロヒンギャ人の入国は認めず、水や食料などの必需品を与えて他国へ向かわせるという。

 2012年6月、ミャンマー西部ラカイン(Rakhine)州で仏教系住民とロヒンギャ人の衝突が勃発して以来、大量のロヒンギャ人がミャンマーを脱出。その多くはマレーシアに向かっているとされるが、これまでにタイで身柄を拘束されたロヒンギャ人は1000人を超える。

 現在拘束中のロヒンギャ人たちについて、タイ当局は国内の入国管理所や警察施設での6か月間の滞在を認め、その間にタイ政府と国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が協力して受け入れ国を探すとしている。

 ロヒンギャ人対する措置の厳格化に先立ち、タイ当局は前週、ロヒンギャ人の人身売買にタイ陸軍幹部が関与した疑いを調査していると述べていた。

 国連(UN)によると2012年、ロヒンギャ人1万3000人がミャンマーおよびバングラデシュから脱出した。航海中に海上で命を落とす者も少なくないという。(c)AFP