【1月29日 AFP】2月に退任する韓国の李明博(イ・ミョンバク、Lee Myung-Bak)大統領は29日、朴槿恵(パク・クンヘ、Park Geun-Hye)次期大統領からの反対を押し切り、元側近らの特別赦免を決定した。

 特赦の対象は、不正資金事件で有罪が確定した李大統領の盟友、崔時仲(Choi See-Joong)前放送通信委員長や友人で実業家の千信一(Chun Shin-Il)氏ら55人。党代表選での現金買収工作で2012年に有罪となった朴ヒ太(Park Hee-Tae)前国会議長と前大統領政務首席秘書官らも含まれる。

 李大統領の報道官は特赦発表後に会見し、「権力の乱用ではない。法と手続きに基づいて実施された」と語った。

 前週、不正資金事件で懲役2年の有罪判決を受けた李大統領の実兄、李相得(Lee Sang-Deuk)前議員は特赦の対象には含まれなかった。李相得前議員の裁判は、今回の特赦に間に合わせるために急ピッチで行われたとの声も上がっていた。

 今回の特赦は、李大統領による7回目の特赦になる。過去の特赦の際にも「大統領権限の乱用」との批判が出ていた。李大統領は、2008年に現代自動車(Hyundai Motor)の鄭夢九(Chung Mong-Koo)会長、09年にサムスングループ(Samsung Group)の李健熙(Lee Kun-Hee)前会長に特赦を与えており、財閥トップを優遇していると批判されている。(c)AFP