【1月23日 AFP】欧州委員会(European Commission)は遺伝子組み換え(GM)作物の承認手続きを2014年末まで凍結することを決定した。

 トニオ・ボルジ(Tonio Borg)欧州委員(保健・消費者政策担当)の報道官は「欧州委員会は、GM大豆1種、GMトウモロコシ6種の栽培に関する承認手続きを望むのであれば開始することはできるが、そうしない。栽培に関する承認は凍結された」と述べた。

 報道官によれば、就任まもないボルジ委員は加盟27か国との議論再開を優先するとしている。

 EU加盟国のうち8か国(オーストリア、ブルガリア、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、ルクセンブルク、ポーランド)は、自国領内でのGM作物の栽培を制限あるいは禁止できる条項をすでに採択している。欧州委員会のジョゼ・マヌエル・バローゾ(Jose Manuel Barroso)委員長はそれらの国に対し、制限措置の取り消しを強制していない。

 この14年間でEUが栽培を承認した食品向けGM作物は、独化学大手BASFが開発したGMジャガイモ「アムフローラ (Amflora)」と 、米バイオテクノロジー大手モンサント(Monsanto)が開発したGMトウモロコシ「MON810」の2種類のみ。

 アムフローラは商業的に失敗し、MON810の承認更新は2007年以来、停滞している。報道官によれば、このMON810の承認更新も今回の凍結によって保留される。一方、MON810の栽培を許可している国では、委員会が次の決定を下すまで栽培を続けることができる。

 EUでは、GM作物を家畜飼料とすることについては約50種類が承認されている。(c)AFP