【12月18日 AFP】米民主党のダニエル・イノウエ(Daniel Inouye)上院議員が17日、呼吸器疾患のため死去した。88歳だった。

 イノウエ氏はハワイ(Hawaii)が正式に米国の州になった1959年に連邦下院議員に初当選し、62年に連邦上院に鞍替えした。大統領が欠けた場合の継承順位が副大統領(上院議長)と下院議長に次ぐ第3位で、最古参の上院議員が就任するのが通例になっている上院議長代行(president pro tempore)も務めた。

 イノウエ氏の上院での在職期間は、51年以上にわたって上院議員を務め2010年に92歳で死去したウェストバージニア(West Virginia)州選出のロバート・バード(Robert Byrd)氏に次いで長かった。

 1964年の公民権法など、過去半世紀の歴史的な立法にも連邦議員として立ち会ってきたイノウエ氏だが、ここ数週間は病院で過ごしていた。イノウエ氏の事務所によると最後の言葉は「アロハ」だったという。

 イノウエ氏の死去を受け、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は声明を発表した。声明の中でオバマ氏は、「今夜、米国は真の英雄を失った」と述べ、イノウエ氏が政治家として軍の強化や超党派の合意形成などに尽力したことや、第2次世界大戦中に片腕を失いながらも勇敢に戦い、名誉勲章(Medal of Honor)を受章したことにも触れた。

 ハワイ州知事は、補欠選挙で後任の上院議員が補充されるまでイノウエ氏の代わりを務める臨時の上院議員を任命するとみられるが、その人選は現時点で明らかになっていない。(c)AFP