【11月6日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は6日、アナトリー・セルジュコフ(Anatoly Serdyukov)国防相を解任し、後任にモスクワ(Moscow)州のセルゲイ・ショイグ(Sergei Shoigu)知事を任命した。セルジュコフ氏解任の理由について、同大統領は国防省関連企業の約1億ドル(約80億円)の不動産詐欺事件の捜査に「公正を期すため」と説明している。

 解任されたセルジュコフ氏は、プーチン大統領の長年の盟友で、第1副首相を務めたビクトル・ズプコフ(Viktor Zubkov)氏の義理の息子にあたる。軍の改革を強力に推し進めていたセルジュコフ氏には、軍内部から解任を求める声があがっていたが、これまでプーチン大統領はそうした求めに応じることを拒否していた。

 プーチン大統領は放映された発表の中で「国防省を取り巻いている状況を考慮し、すべての問題について客観的な捜査を行う条件を整えるためにセルジュコフ国防省の解任を決めた」と語った。また軍の飛躍的な改革を継続できる人物として、後継にショイグ氏を選任したと述べた。

 今回のセルジュコフ氏解任は、プーチン氏の大統領復帰以来、最も劇的な変化といえる。また外交的には米国の次期大統領選投票日と重なり、内政的にはデモなど反プーチン政権派の動きがこれまでになく活発化するなど微妙な時期と当たっている。(c)AFP