【10月24日 AFP】米大統領選挙まで残り2週間を切る中、共和党の上院議員候補がレイプについて問題発言を行って批判されている。共和党のミット・ロムニー(Mitt Romney)候補は24日、この発言から距離を置こうと努めた。

 中絶反対の立場をとる共和党のリチャード・モードック(Richard Mourdock)候補は、23日の上院議員候補者討論会で、レイプによる妊娠は「神がそうなるように意図されたものだ」と発言。女性の権利について共和党のロムニー候補を攻撃する格好の材料を、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領に与えた。

 大統領選の両候補の支持率がほぼ同率で伯仲する中、接戦州では女性票が選挙の大勢を決めかねない。それに中絶をめぐって再び議論になれば、ロムニー氏が焦点にしたかった米国経済の低迷から注目がそれることになる。

■「レイプによる妊娠も神の意図」

 モードック氏は23日の討論会で、生命は妊娠のときに宿るとの信念を表明し、母体に命の危機が迫っているとき以外のすべての中絶に反対すると語った。

「私自身、この問題については長らく悩んできたが、命とは神からの贈り物なのだと悟った。そして、たとえレイプという痛ましい状況で命が生まれたとしても、それは神がそう起きるよう意図したものなのだと私は考えている」(リチャード・モードック氏)

 ロムニー陣営の広報担当者、アンドレア・ソール(Andrea Saul)氏は「ロムニー(前)州知事はリチャード・モードック氏の発言に同意しない。モードック氏の発言はロムニー氏の考え方を反映していない」と述べ、モードック氏の発言から距離を置いた。

 ロムニー氏は、レイプや近親相姦、母親の生命を救うためなどの場合を除くあらゆる中絶に反対する立場を表明している。(c)AFP/Michael Mathes