【8月3日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は2日、モスクワ(Moscow)の大聖堂でプーチン政権を批判する歌を演奏して逮捕された女性パンクバンドの裁判について、厳罰を望まないとの考えを明らかにした。

 報道によればプーチン大統領は訪問先の英国で、ロシアの女性バンド「プッシー・ライオット(Pussy Riot)」のメンバー3人の抗議パフォーマンスは「決して善行ではない」としつつも、「彼女たちの行いに対し厳しすぎる罰を与えるべきではない」と述べ、寛大な判決を提案したという。プーチン大統領がこの問題について発言するのは、これが初めて。

 3人の裁判をめぐるロシア国民の意見は割れており、世界を代表する音楽界の大物アーティストや西側諸国からの抗議の声も上がっている。

 蛍光色のタイトなミニドレスを着てニットの目出し帽をかぶったプッシー・ライオットのメンバーらは今年2月、モスクワにある救世主ハリストス大聖堂(Christ the Saviour Cathedral)の敷地内で、プーチン政権支持を公言するロシア正教会を批判する内容を含む歌をパンク音楽に乗せて演奏した。

 歌詞には聖母マリア(Virgin Mary)に向けて「プーチンを追い払ってください」と祈る言葉も含まれ、最初はあっけにとられた様子だった保安要員が最終的に介入するまで約1分間にわたって演奏は続いた。

 逮捕された20代のアマチュア女性ミュージシャン3人には、フーリガン行為の罪で最大7年の禁錮刑が科される可能性がある。

 プーチン大統領は、英ロンドン(London)で行われたデービッド・キャメロン(David Cameron)英首相との会談後に記者団の取材に答え、3人が「自分たちなりの結論を導き出し」、過ちから学ぶことを期待すると述べた。(c)AFP/Dmitry Zaks